結城市編 結城紬後継者になって結城に住む!

 

茨城県工業技術センター 繊維工業指導所

遠い昔から連綿と受け継がれてる伝統文化。茨城県では、様々な伝統工芸品が作られています。代表的なもののひとつが、「結城紬(ゆうきつむぎ)」です。日本最古の絹織物と言われる歴史を持ち、高い技術力を要する工程をほぼすべて手作業で行うことで生まれる独自の風合いや着心地の良さが評価を受けています。そんな結城紬は、国重要無形文化財(※)、ユネスコ無形文化遺産にも登録され、今や日本を代表する伝統的工芸品として広く認知されるところとなりました。
茨城県では、この重要産業を担う人材育成にも取り組んでいます。結城市に置かれている「茨城県工業技術センター繊維工業指導所」では、平成8年度から結城紬後継者育成研修を実施。研修生はおよそ1年間のカリキュラムで基礎から実技までを学んだ後、実際に結城紬の機織りに携わります。県西地域で暮らしながら、日本が誇る伝統工芸品の産地を支える職人を目指してみませんか?
※国重要無形文化財の指定は、「糸つむぎ・絣くくり・地機織り」の3工程

【絶景茨城/ユネスコ無形文化遺産】結城紬

国重要無形文化財、ユネスコ無形文化遺産に登録された結城紬の生産工程を、動画でご紹介しています。


動画:いばキラTV

 

伝統工芸の産地を支える後継者

結城市編 結城紬後継者になって結城に住む!
結城市編 結城紬後継者になって結城に住む!

茨城県工業技術センター繊維工業指導所には、現在「素材開発部門(プラスチック・材料)」と「紬技術部門(結城紬・繊維)」の二部門がおかれています。県内関連産業の発展を目指し、研究開発や技術指導、試験・分析といった支援に加えて「人材育成」にも取り組む機関です。平成8年度から実施している「結城紬後継者育成研修」は、織り手の後継者不足に悩む結城紬産地の要望に応える形でスタートしました。実は、結城紬の後継者募集には例年数多くの問い合わせがあるそうですが、実際に織り手として働くのは簡単ではありません。
結城紬は、その工程の細やかさと製法の難度ゆえに、一反を織り上げるまでに数ヶ月という長い期間を費やします。模様や細工が精巧になればなるほどその時間は長くなります。もちろん、ただ織り上げればよいわけではなく、品質の良さも求められます。完成した反物は組合の厳しい検査を受け、細かな項目を全てクリアしたものだけが合格となります。「たった一年間の研修でマスターできるものではありません。10年、15年と続けてやっと一人前と認められる、大変根気のいる仕事です」と、同センターの磯所長も話す通り、伝統工芸の担い手になるには長い道のりが…。この育成研修は、後継者候補と生産者の橋渡しをする役目でもあります。

 

後継者育成研修の内容について

結城市編 結城紬後継者になって結城に住む!
結城市編 結城紬後継者になって結城に住む!

同指導所の研修では、約1年間のカリキュラムを通して、織り手として必要な基礎知識や技術を学びます。期間中には、実際に帯一本と着尺二反の結城紬を製織する実技研修も含まれており、かなり実践的。「実際にやってみると、想像よりも難しいと感じる方が多いと思います」と、同センター紬技術部門の篠塚部門長。というのも、結城紬ならではの難所があるからだそう。そのひとつに手つむぎの無撚糸(むねんし)を使うので糸が切れやすいという特徴があります。糸が切れた際の対処の仕方も、トライ&エラーで身につけていかなくてはなりません。
また、同指導所の研修において特徴的なのが、織りの作業以外の仕事についても学べること!結城紬の生産はそれぞれの専門職に分業化されており、基本的に織り手は「糸つむぎ」や「染色」というような工程に携わることはないそう。ですが、「実際に織り手として働くようになってからも、この作業を知っていると役に立つことがあります。皆さんがセンターを修了した後の活躍の幅が広がるように、結城紬に関するひと通りの作業を経験してもらう内容を組んでいます」(篠塚部門長)。これまで修了した研修生から結城紬の織り手が誕生した実績は数多く、ここ12年間ではおよそ75%の就業率となっているそうです。
研修を修了した後継者たちは、さっそく地域の機屋(※)に入って織り手として従事します。次に目指すのは、12年の実務経験を経てチャレンジすることができる「伝統工芸士」の資格です。伝統文化が息づく結城の街で穏やかに暮らしながら、悠久の時をつむいできた結城紬の担い手を目指してみては。
※機屋・・・結城紬の生産者。糸の買い付けから製織までを担う。織り手はそれぞれの機屋の下で専属として働く。

 

茨城県工業技術センター 繊維工業指導所でお話をうかがいました!

茨城県工業技術センター 繊維工業指導所 所長 磯 智昭さん
所長 磯 智昭さん

結城市のある県西エリアは首都圏からのアクセスもよく、それでいて自然環境に恵まれた過ごしやすい地域です。Uターンで地元に戻って来て地域を盛り上げたい、ご家族で移住を検討している、日本古来の伝統文化に興味がある、じっくり腰を据えて物事に取り組みたいなど、研修生募集への応募のきっかけは様々。日本が誇る伝統工芸を支える未来の後継者として、修了生の活躍を期待しています。

首席研究員兼紬技術部門部門長 篠塚 雅子さん
首席研究員兼紬技術部門 部門長 篠塚 雅子さん

結城紬の後継者育成研修生については、全国からたくさんの問い合わせを頂きます。織り手は非常に忍耐や根気のいる仕事。大変ですが、その分、一反を織り上げた時のやりがいも大きいものです。研修生同士でコミュニケーションもあり、県外から移住してきた方でも仲間が出来る心強さもあるかと思います。修了生のグループの中には、経験を積んで結城紬のオリジナル小物などを企画・製作して活躍している方も。そういった際の技術指導なども、センターで相談を受けています。

平成29年度 結城紬後継者育成研修生を募集しています(1/25まで)

茨城県工業技術センター繊維工業指導所では、結城紬の「織り手」として就業できる方を対象に、結城紬後継者育成研修生を募集します。下記要件を参照の上、興味のある方は茨城県工業技術センター繊維工業指導所・紬技術部門までお問い合わせください。

  • 研修期間 平成29年4月下旬〜平成30年3月下旬(約11ヶ月間)
  • 研修時間 月〜金曜日 9:00〜17:00まで
  • 研修場所 茨城県工業技術センター繊維工業指導所内
  • 受講料 無料(ただし、研修用の材料費負担あり)
  • 応募資格 県内在住、もしくは研修開始までに県内に転入が可能で、研修終了後、結城紬産地の機織りに就業できる方。品行方正、心身共に健康な方。
  • 募集人数 最大4名
  • 募集受付期間 平成28年12月1日〜平成29年1月25日(必着)

※応募に必要な資料、書類は茨城県工業技術センター繊維工業指導所ホームページからダウンロードできます。
郵送を希望される場合には、下記TEL、FAX、メールで連絡してください。

問い合わせ先
茨城県工業技術センター繊維工業指導所 紬技術部門

〒307-0015 茨城県結城市鹿窪(かなくぼ)189
TEL 0296-33-4154(代表)
FAX 0296-33-2953
メール tumugi2@kougise.pref.ibaraki.jp

※電子メールでお問い合わせの際には、必ず氏名、住所、電話番号を記載して下さい。記載がない場合は、返信できない場合があります。

茨城県工業技術センター繊維工業指導所ホームページはこちら

2016年度研修生の中にも、県外から茨城に移住してきた方がいます

木村 紋子さん 茨城県坂東市出身
木村さん 茨城県坂東市出身・48歳

県西地域の坂東市が郷里という木村さん。2016年の2月まで東京に住んでいましたが、研修をきっかけにUターンしてきたそうです。

元々、趣味で織物をやっていて、自分で綿を育てて摘みそれで織物を作ったりもしていました。もちろん趣味のレベルとは全然違って想像以上に大変ですが、コツコツやる仕事は好きなので向いていると思います♪

小貫 那子さん 東京都から移住
小貫さん 東京都から移住・31歳

都内で、靴の商品企画などに就いていたところから一念発起して結城紬の後継者を志した小貫さん。おばあさんが結城の方で、糸つむぎをしていたのだとか!

小さい頃に祖母から結城紬についての話を聞いたことを覚えています。大学時代からテキスタイルに興味を持っていたこともあり、ぜひ伝統ある織物の結城紬に携わってみたいと研修に応募しました。結城はみんなが優しい街です。

鈴木 奈々さん 埼玉県から移住
鈴木さん 埼玉県から移住・21歳

大学卒業後にすぐこの後継者育成研修に入ったという鈴木さん。学生時代に授業で経験した機織りが楽しかったので、それを続けられるところを探してこの結城紬後継者育成研修にたどり着いたそう。これからの期待を話してくれました。

学生時代の授業とは全然違うので、またイチからのスタートでつまづくこともありますが、新しいことを学ぶのはとても楽しいです。これからも続けたいです!

 

茨城県工業技術センター繊維工業指導所

大正11年に設立された「茨城県工業試験場」をスタートとし、結城紬をはじめとする繊維に関する試験や研究などに尽力。昭和60年に茨城県工業技術センター繊維工業指導所となる。平成元年にはプラスチック産業の支援にも取り組む。平成16年より「紬技術部門」「素材開発部門」の二部門制となり、研究開発・技術支援・人材育成・橋渡しを柱に県内企業を支援、茨城の工業技術の発展を目指す。平成8年度から取り組んでいる結城紬後継者育成研修は、産地からも高い評価を得ている。

茨城県工業技術センター繊維工業指導所 紬技術部門

〒307-0015 茨城県結城市鹿窪(かなくぼ)189
TEL 0296-33-4154(代表)
FAX 0296-33-2953
交通アクセス 電車:JR水戸線「結城駅」から徒歩40分/タクシー15分

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