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大子町テレワークツアーレポート
2020年11月12日からの2日間、大子町でテレワークツアーが開催されました。今回のツアーには、東京都内や茨城県南地域から、エンジニア、イベントディレクター、キャリアコンサルタントなどを仕事にする人たちが参加。
今回のプログラムに参加した皆様には、大子町に整備されたwi-fi環境を活かしたテレワーク、駅前商店街散策、リンゴ狩り、街に暮らす人々との交流、Eバイクツーリングなど、静かに仕事に集中できるオンの時間と、清々しい空気の中でリフレッシュできるオフの時間を織り交ぜながらじっくり過ごせるテレワークツアーを体験していただきました。
ツアープログラム
1日目
- JR常陸大子駅集合
- daigo cafeで昼食
- 奥久慈茶の里公園の茶室でテレワーク体験
- Lahar-Guesthouseで宿泊と交流会
2日目
- Lahar-Guesthouseで朝のテレワーク体験
- Eバイクツーリング体験
- 藤田観光りんご園でリンゴ狩り体験
- 咲くカフェで昼食
- 大子の街なか散策
1日目
JR常陸大子駅集合
大子町テレワークツアーは、JR常陸大子駅前が出発地点。東京都内や茨城県南地域からやってきた参加者が、大子町役場の職員たちが迎える駅前広場に集います。
今回の参加者は、テレワークで働く会社員や、フリーランス、そして会社を立ち上げたばかりの起業家などの、ノートパソコンとインターネット環境があれば、柔軟に仕事ができる皆様。
「大子町に来るのは初めて」という参加者がほとんどでしたが、そんな方々も、このツアー企画の募集を見たときに、大子の自然に魅力を感じ申し込みに至ったそうです。
駅に着いたら、まずは新型コロナウイルス感染防止のため、しっかり検温。全員に異常がないことを確認したら、大子町テレワークツアー1日目のスタート。参加者たちは、全員が初対面。この時はまだ、出会ったばかりでぎこちない様子もありました。
daigo cafeで昼食
JR常陸大子駅の駅前商店街を歩きながら最初に向かったのが、商店街のほぼ中央にある「daigo cafe」。
daigo cafeは、築100年の古民家をリノベーションして作られたカフェ。店内のレトロ&アンティークな家具や備品と、通りに面した窓から入る日の光が、室内に落ち着いた懐かしい雰囲気を醸し出しているのが特徴です。
daigo cafe https://daigo-cafe.net/cafe/detail/daigocafe.html
駅前で出会ってまだ1時間も経っていない参加者の皆様ですが、みんなで同じテーブルを囲み、一緒にメニューを選び、自己紹介やツアー参加のきっかけを話す中で、少しずつ打ち解けていきました。
daigo cafeで食事を楽しんだ後は、大子町での最初のテレワーク体験スポット「奥久慈茶の里公園」に移動開始。みんなでツアーのために用意された小型バスに乗って、里山の景色を間近に感じながら移動しました。
奥久慈茶の里公園の茶室でテレワーク体験
奥久慈茶の里公園は、JR常陸大子駅から車で北西へ15分ほど走ったところにある、大子町の特産品、奥久慈茶の体験施設。奥久慈茶を買うことができるだけでなく、茶摘み体験や、本格的な茶室「随喜(ずいき)」での茶道体験もできます。
到着した参加者たちは、公園内の茶室「随喜」に集まり、まずは大子町長からの歓迎のあいさつと、大子町役場職員からの大子町の紹介を受けました。
町長からは、「今回は、紅葉もきれいで大子のとても良い時期にお越しいただけたと思います。ここ大子町は、コロナ禍の中で新しい生活をしていくには素晴らしい環境であることを保証します。今回のツアーで是非参考にしていただきたいですし、皆様のテレワークが円滑に能率的に進むように、バックアップさせていただきます。寒くなってきましたが、体調を崩さぬよう、楽しんでいってください」とのメッセージを頂きました。
さらに参加者たちは、奥久慈茶の抹茶を使った茶道を体験。お茶を点ててもらい、和菓子と一緒に一服のお茶を味わう機会は多くはないはず。参加者たちは、作法に戸惑いながらも、茶の里公園スタッフのレクチャーの元、大子のお茶の味を楽しんでいました。
そして、いよいよ大子町でのテレワーク開始。ツアーの参加者に、テレワークの場所として、引き続き茶室をご利用いただきました。通常のテレワーク利用でもこの場所を使うことができます。電源はもちろん、安定したWi-fi環境やプリンターも完備されているので、参加者たちはいつも通り、資料作りやビデオチャットツールを使ったWeb会議など仕事を進めていました。
畳の敷かれた茶室の中で仕事ができるのはもちろん、縁側のガラス戸を開ければ、大子の山々を眺めながら仕事ができる屋外スペースも使用可能。仕事の合間に一息つくために、茶室の庭や公園を散策する方もいました。
都会では味わえない澄んだ空気と解放感のある仕事環境を体験し、参加者も「いつも自宅でテレワークをしていたけど、自然の中で山を見ながら仕事をすると、自分自身の事も見つめなおせる気持ちになりました」と話していました。
奥久慈茶の里公園(テレワーク利用に関する情報もこちら) http://okukuji-chanosato.com/
Lahar-Guesthouseで宿泊と交流会
茶室でのひと仕事を終えたら、今回の宿に移動。
大子町テレワークツアーでお世話になる宿は、大子の里山の雰囲気に包まれながらゆっくりと過ごせる、Lahar-Guesthouse(ラーハ・ゲストハウス)。JR常陸大子駅から、車で北西に5分ほど走った場所にあります。大子町の旧浅川温泉跡地を再生活用しているため、施設内で温泉入浴も味わえるのが、このゲストハウスの特徴の一つ。
Lahar-Guesthouse https://www.lahar-guesthouse.com/
ゲストハウスに到着し、チェックインを済ませたころには、外はもう夕闇が迫っていました。街灯やビルの明かりが無い里山の夜に参加者たちも驚いていましたが、その分、日が完全に沈んだ後に現れる星空に感動しているようでした。
Lahar-Guesthouseでの食事は、通常は宿泊者同士の交流を図るため、施設内のキッチンを利用したゲストによる自炊を勧めています。ですが今回は特別に、ゲストハウスのオーナー夫妻がバーベキューの交流会を企画。交流会には大子町地域おこし協力隊も参加し、ゲストハウスのオーナー夫妻も交え、町のこと、仕事のことなど、様々な話題で盛り上がりました。
バーベキューには、茨城の野菜はもちろん、奥久慈しゃもや奥久慈リンゴなどの、地域の特産品が登場。さらに、大子町に醸造所を構える「大子ブルワリー」のクラフトビールや、茨城県の地酒も振る舞われました。
ツアー参加者のために、手厚い歓迎をしてくださった、ゲストハウスのオーナー夫妻。参加者も、温かい交流会を振り返り、「大子町のいいところは、人が良い意味でおせっかいなところですね。たくさん話しかけてくれるので、初めて来ても寂しくないかもしれません」と語っていました。
2日目
Lahar-Guesthouseで朝のテレワーク体験
大子町テレワークツアー2日目は、Lahar-Guesthouseからスタート。里山で始まる朝に、参加者も「朝の空気が気持ちよくて、スッキリと目覚められました」とのこと。
ゲストハウスでの朝食後、参加者たちは早速テレワークを開始。もちろん、このゲストハウスもWi-fi環境は安定しており、普段通り仕事をすることが可能です。屋内で仕事を進める方だけでなく、外に出て朝の空気を吸いながら仕事をする参加者もいました。
人込みや車の喧噪もなく静かに仕事ができる環境に、「静かな場所ですので、一つのことにとても集中でき、効率的に仕事を進めることができました」と、都市部にはない作業空間の魅力を感じていたようです。
Eバイクツーリング
ゲストハウスでのひと仕事を終えた後は、「Eバイク」に乗って、リンゴ狩りに出発。Eバイクとは、電動アシスト搭載の自転車のこと。モーターがペダルを漕ぐ力をサポートするので、普段はつらい上り坂もスムーズに走ることができます。
Eバイクの使い方のレクチャーを受けたら、ツーリングがスタート。参加者たちは、なだらかな起伏のある大子の里山を、秋風を切りながら走り、すぐ手に届くところにある自然を全身で感じていたようです。
奥久慈サイクルステーション https://www.town.daigo.ibaraki.jp/page/page005051.html
藤田観光りんご園でリンゴ狩り体験
里山を走り到着したのは、大子町に49戸あるリンゴ農園の一つ、「藤田観光りんご園」。ここでは、50品種以上のリンゴを栽培し、リンゴ狩り体験ができるだけでなく、アップルパイや完熟リンゴジュースなども販売しています。
到着した参加者たちは、りんご園のスタッフの説明を受け、さっそくリンゴ狩りにチャレンジ。1日目に顔を合わせたばかりのころは、まだお互いにぎこちない様子もあった参加者たちでしたが、交流会のおかげか、打ち解けた雰囲気。みんなで美味しそうに色づいたリンゴの実を探し、時には、届かない場所にあるリンゴを背の高い参加者が代わりに採る様子もありました。
藤田観光りんご園 http://www.roy.hi-ho.ne.jp/apple-fujita/
リンゴ狩りの後は、園内にある築110年を超える古民家で、囲炉裏を囲みながら休憩。他愛のない雑談をする方がいる一方で、ここでもしっかりと仕事に打ち込む参加者もいました。
ツアー初日に駅前商店街を出発してから、ずっと自然の中で過ごしてきた参加者たち。「自然の中に身を置くことで、感覚が研ぎ澄まされるような感じがありました。大子町の自然があってこそですね」と語る方もいました。
咲くカフェで昼食
藤田観光りんご園を後にした参加者たちは、再びEバイクに乗り、常陸大子駅の駅前商店街に戻りました。この道中でも、里山の景色と紅葉を感じながらツーリング。
駅前商店街に到着し、Eバイクを返却した後は、ひな祭りで有名な百段階段を登り、この日の昼食スポット「咲くカフェ」に向かいました。
咲くカフェは、大子町出身のクリエイターがUターンした後、自身の生家をリノベーションしてオープンさせたカフェ&ゲストハウス。JR常陸大子駅から徒歩10分ほどの小高い場所に位置しています。この日は平日にもかかわらず、たくさんお客様が、自然に囲まれた清々しい場所での食事を楽しんでいました。
咲くカフェ https://saku.cafe/
大子の街なか散策
昼食後は、テレワークツアーの締めくくりに、改めて参加者みんなで大子の街なかを散策。初日に訪れたdaigo cafe以外にも、大子の街には古民家や空き家を改装して作られたギャラリーや、アーティストたちの創作の拠点、シェアスペースなどが点在しています。この日も、大子漆を用いた「八溝塗り」の漆器制作と展示販売を行う器而庵(きじあん)の見学や、大子アーティスト・イン・レジデンスでのコーヒー焙煎体験などを楽しみました。
2日間のテレワークツアーを通して、大子町のテレワークスポットで仕事をするだけではなく、大子の自然、文化、人に出会ってきた参加者の皆様。これまでの日程を振り返り、「自然が豊かですし、文化も深いし、面白い方もいらっしゃって、とても魅力的な街でした」と語っていました。
さらに、「ツアーの中でできたつながりから、新たなコラボレーションが生まれていきそうな予感もあります。また大子を訪れて、継続的なつながりも作っていきたいですね」と、これからの大子町との新たな関り方を考える参加者もいました。
器而庵 https://tsujitohru.jp/index.html
大子アーティスト・イン・レジデンス https://www.town.daigo.ibaraki.jp/page/page003386.html
大子町テレワークツアーを終えて
2日間のツアーを終え、参加者たちは、大子町の自然や文化、人の魅力を体験できたのはもちろん、テレワークの拠点としての大子町の可能性を見出せたのではないでしょうか。
大子町は山間の街であるにも関わらず、安定したWi-Fi環境が整っています。特にWi-Fi環境を重視していた参加者も、「Wi-Fiはどの接続スポットも安定して早かったし、Web会議も途切れることなく進められました。インターネットを利用したシステム開発でも、通信スピードに問題はなかったです」と、通信環境への感想を述べていました。
さらに、大子町を二つ目の生活や活動の拠点とする可能性を考え、「東京でしっかり働く時間と、大子町でゆっくりしながら自然とともにリラックスできる時間の両方が持てたら最高だと思います。二拠点生活ができたらいいなと考えていました」と語る参加者もいました。
参加者インタビュー
大子町テレワークツアーの4名の参加者から、ツアー参加のきっかけ、大子町のテレワーク環境、ツアーの中で発見したことについて伺いました。
女性/個人のキャリアコンサルタント/茨城県内から参加
Q─参加のきっかけを教えてください
自然の中でのテレワークに興味があって参加しました。実際にテレワークツアーに参加してみて、大子町は予想以上に山を間近に感じられましたし、紅葉もとても綺麗でした。同じ茨城県でも、私が住んでいる守谷市ともだいぶ違いますね。
Q─実際にテレワークを体験してみて感じたことは?
いつもは自宅でテレワークをしていましたが、大子の自然の中で仕事をしていく中で、仕事だけでなく、自分自身のことを見つめ直せるようにもなりました。
Q─ツアーに参加して、気持ちの変化や刺激、発見はありましたか?
自然の中に身を置くことで、感覚が研ぎ澄まされるような感じもありました。大子町の自然があってこそだと思います。
女性/アーティストサポート・イベントディレクション/東京都から参加
Q─参加のきっかけを教えてください
もともと大子町でアーティストを街に紹介したり、芸術祭を開催したりする仕事をさせていただいていました。今回のテレワークツアーには、そのご縁の中で紹介いただき、参加しました。
Q─実際にテレワークを体験してみて感じたことは?
大子町で二拠点生活をしてみたいと思いました。大子の自然の中で過ごすことが当たり前になってしまうと、上手く気持ちの切り替えができなくなってしまうかもしれませんが、「東京で働く時間」「大子で自然とともに過ごす時間」の両方を持つことができると、最高だなと思います。
Q─ツアーに参加して、気持ちの変化や刺激、発見はありましたか?
大子町は時間がゆったりしているからこそ、相手の事を大事にしたり、自分の事を顧みたりすることができるのかなと感じています。大子の好きなところは、良い意味で人がおせっかいなところですね。たくさん話しかけてくれるので、初めて大子にやってきた人も、寂しくならずに済むのではないでしょうか。
男性/データ分析エンジニア/東京都から参加
Q─参加のきっかけを教えてください
茨城県庁に勤める方から紹介を頂きました。大子町についてはほとんど知らなかったのですが、今回のツアーで大子町に足を運ぶきっかけとなりました。
Q─実際にテレワークを体験してみて感じたことは?
大子町は、自然が豊かだし、文化もあるし、面白い方もいることに魅力を感じました。それに静かな環境なので、一つのことに集中して作業ができ、効率的に仕事を進めることができました。
Q─ツアーに参加して、気持ちの変化や刺激、発見はありましたか?
東京とは違う環境に身を置くことで、気持ちの入れ替えができたし、非常に刺激になりました。色々な人と交流ができましたし、地域の中での繋がりができたことも大きいと思います。そこからさらにコラボレーションなどに発展していく予感もありますので、こういった取り組みは継続的行われてほしいですね。
自分自身も、大子町をもう一度訪れて、継続的なつながりを作っていきたいと思います。
男性/エンジニア・起業家/東京都から参加
Q─参加のきっかけを教えてください
ハッカソンとバケーションを掛け合わせた「ハッケーション」を主催しています。その事例を探していたところ、たまたま大子町テレワークツアー募集の情報を見つけて参加しました。大子町はこれまで行ったことがなかったのですが、自然や紅葉がきれいなところだと思い応募しました。
Q─実際にテレワークを体験してみて感じたことは?
大子町のツアーに参加したことで、地元の方たちと出会い、良い関係を築けたので、皆さんとハッケーションを開催してみたいと思いました。Wi-Fi環境も安定していて速度も速かったですし、食事も美味しいし、地域に密着する環境も整っているので是非開催してみたいと思います。
Wi-Fi接続環境はどのスポットも速く安定していて、ビデオチャットツールを使っての会議も、特に途切れることなく安定して進めることができました。
Q─ツアーに参加して、気持ちの変化や刺激、発見はありましたか?
2日間の間に思い出がたくさんできましたし、自然も溢れ、紅葉もきれいで最高でした。東京ではビルやアートなど人が作った美しさが多いですが、大子では自然が作り出す色が多く、東京にいるとそういった自然の美しさになかなか触れる機会が無いかもしれないと思いました。