【平成29年度 参加企業プロジェクトレポート】 株式会社リビタ プロジェクトレポート
- 株式会社リビタ
- 業種:住宅・不動産
- 所在地:東京都目黒区
「くらし、生活をリノベーションする」をコンセプトに、既存建物の改修・再生を手がける会社。印刷工場をオフィス商業複合施設にコンバージョンした港区海岸「TABLOID」や、大人の部活がうまれる街のシェアスペース「BUKATSUDO」、主に地方の中心市街地の活性化を目的としたシェア型複合ホテル「THE SHARE HOTELS」を全国に展開。『暮らし』の概念を『働く』『遊ぶ』『学ぶ』『泊まる』などに領域を広げたプロジェクトの企画・プロデュース・運営も多く手掛ける。
株式会社リビタ:https://www.rebita.co.jp/
プロジェクトの参加目的
今回、このプロジェクトに参画したきっかけは、会社としてより地域に根差し、「地域やまちとともにある住まい・場・コト」をつくり、自社事業の発展、地域社会に貢献したいと考えていたためでした。
いつもはワークスペースの企画や運営に携わる当社のメンバーが、普段とは異なる環境下でリモートワークやオフサイトミーティングを行うことで、住まい・場・コトづくりに必要となる要素を実感するとともに、地域の企業や住民と接点を持つことにより新たな気づきが得られるのではないかと思いました。
優しい時間が流れつつ、若い世代が躍動する結城
まず、結城市に来て感じたことは、都心から約1時間半という近距離であるにも関わらず、日常の時間の流れ方が都心よりも緩やかだということです。
街の人もどこか愛らしい気さくな方が多く、とても馴染みやすい地域でした。
古くから残る歴史や文化に加えて緑が多いことなど、無意識にホッとできる街並みも魅力の一つでしたね。
また、結城市にはまちづくりに関わるプレイヤーが多く存在し、魅力的な取組みが行われています。滞在中に拠点としていたコワーキングスペース&カフェ「yuinowa」を運営するまちづくり会社「株式会社TMO結城」や、結城市の移住・定住事業に関わるヤフー株式会社の方をはじめ、若い世代の方々がエネルギッシュに地域を盛り上げようとする姿がとても印象に残っています。このほか、数百年の歴史ある酒造や結城紬を販売する老舗など、まちで活躍されている方々と知り合いになれたことで、結城市をより身近に感じられるようになりました。
さらに、神社の境内や蔵などの様々な空間がマルシェやコンサート会場として生まれ変わり、全国から集まった芸術家の作品やアーティストのライブを見ることができる「結い市」というお祭りはとても魅力的なイベントでした。
我々も、この「結い市」を通じて結城の魅力を多くの人に味わってほしいとの想いから、当社が運営を行っている大人の部活が生まれるシェアスペース「BUKATSUDO」主催による「大人の修学旅行」を実施しました。この企画にはBUKATSUDOの利用者等、20名以上の方にご参加いただき、結城というまちを感じてもらうと共に、地域の方々との接点づくりを行うことができたと思います。予め私たちが地域の人と密にコミュニケーションが図れていたため、結城という街を、自信を持ってすすめることができたのも良かったです。今回の取組みを通じて、すでに「働く」「学ぶ」場を都内で運営する私たちが、これまで築いてきた比較的移住ターゲット像に近い「場所を選ばず働く人」や「感度の高い若い人」等との関係性を、結城でできた新たな関係性とつなぐことは、私たちだからこそできる新たな移住定住促進施策の一つとなる可能性も感じました。
BUKATSUDO:http://bukatsu-do.jp/
旧呉服店をリノベーションして誕生したコワーキングスペース&カフェ「yuinowa」
仕事環境が変わることでクリエイティブからオープンマインドに
結城市に滞在している間は通常業務のほか、オフサイトミーティングも実施しました。普段からワークスペースを運営し、様々な人と関わる私たちはコミュニティを重要視しています。オフサイトミーティングでは、コミュニティという概念や歴史に関して深く議論するとともに、『自分たちの仕事を一言で表す』という議題のもとでビジョンやアイデアを共有するなど、メンバー間の交流や相互理解を図りました。
これまで都内でもオフサイトミーティングは行っていましたが、結城のまちという有機的な環境に変わることで比較的リラックスして取り組めました。そのおかげで、新しい意見や発想が飛び交ったり、自らの仕事が社会的にどのような役割を果たし価値を作っているのかについて改めて考える機会となるなど、普段とは少し違った話題についても話し合うことができました。
さらに、会社として地方にも業務が拡大しているということを再認識し、メンバー一人一人が責任感や使命感を持ったことや、社内の働き方やリモートワークの重要性について考えるきっかけをつくることができました。
本プロジェクト担当の茨城県企画部企画課(移住推進担当)川上裕貴主事
「居心地」を追求した場づくり
普段からリモートワークを行っていましたし、拠点としていた「yuinowa」は旧呉服店として風合いある古民家の雰囲気でありながら、インターネット環境も充実していたため、業務に支障をきたすことは少なかったですね。
また、「yuinowa」を運営する株式会社TMO結城の方々による現地の案内や、地元の方との顔つなぎなど手厚いサポートによって、居心地の良さと安心感が生まれました。結城は旧城下町内に機能が集約されているコンパクトなまちなので、そこまで不便はなかったのですが、強いて言うならば、車や自転車など移動手段の補助があると、より行動範囲が広がって、良かったかなと思います。
ITの普及や社会的ニーズから今後より一層「場所」に捉われない働き方が進んでいく中で、重要なのはその場の「居心地」であり、普段から場づくりを仕事とする私たちは強く意識しなければなりません。
今回は結城市の魅力を通して、改めて地方の価値を実感することができて良い機会となりました。