【平成29年度 参加企業プロジェクトレポート】 株式会社キャスター プロジェクトレポート
- 株式会社キャスター
- 業種:人材サービス
- 所在地:東京都渋谷区
「リモートワークを当たり前にする」をミッションに掲げ、その実現に寄与するさまざまなサービスや情報を提供する。主たる事業として、オンラインアシスタントサービス「CasterBiz(キャスタービズ)」がある。これは、秘書・人事・経理・Web運用に関する日々の様々な業務を「優秀なリモートで働くアシスタント」に月額固定料金で依頼できるサービス。ほかにスタートアップ・中小企業専門のデザインエージェンシー「Remote Style」や、リモートワークをはじめとした働き方に関する様々な情報を発信するwebマガジン「re:mo(リーモ)」の運用など手掛けている。
プロジェクトの参加目的
ワーケーションの積極導入で、社員満足度と業務生産性の向上を目指す
「リモートワークを当たり前にする」をミッションに掲げる当社は、全社員(取材時は170名ほど)がリモートワークをしています。さらに、仕事と休暇を一体化させることで、ワークライフバランスにおけるライフの部分をより充実させる「ワーケーション(※)」も積極推進しています。このプロジェクトに参加することで、社内における「ワーケーション」の認知を拡大し、また社員が実際に体験することで満足度を向上させ、社外に発信することで、リモートワークをはじめとした新しい働き方の普及につなげたいと考えました。
※ワークとバケーションを組み合わせた造語。旅行先でのリモートワークを指すことが多い。
茨城県の印象・生活
<移住前後での茨城の印象・生活>
都心へのアクセスが良く自然も豊かワーケーションに最適の茨城県
当社がプロジェクトのタイアップ企業に採択されたことを社内広報したところ、複数の社員から「行ってみたい」という声が上がりました。そこで、まずは私が水戸で約1カ月間、ワーケーションを目的にトライアル移住し、その後、5人の社員が短期間トライアル移住することになりました。
実は私は大学がつくばだったので、茨城県で暮らすのは初めてではありません。そのためトライアル移住前後で茨城県の印象が大きく変わることはなく、改めて茨城県の良さに気付かされたという印象です。海と山が近く、自然が豊かで食べ物がおいしく、水戸から東京まで特急電車で約1時間半と都心へのアクセスも良い。私は人事や広報の仕事をしており、週に1度は東京本社へ出社する必要がありますが、特急列車の座席にはコンセントもついており、ストレスなく車内で仕事をすることができました。
オフの時間については、東京とは比べ物にならないくらい充実しました。まずは、海。私はマリンスポーツが大好きなのですが、大洗(海水浴場)までは水戸から電車で30分と移動に時間がかからないので、時間を気にすることなく楽しむことができました。ほかにも、駅前で自転車を借りて湖までサイクリングしたり、結城市にプチ観光旅行に行ったり、この後は北茨城にあるお目当ての旅館を目指し、温泉旅行に行く予定です。休日の過ごし方のバリエーションの豊富さも魅力で、「ワークライフバランス」の「ライフ」部分は確実に向上したと実感しています。
取材を行った日立駅から太平洋をのぞむ。海と山が、まさに目の前
具体的な支援内容
<当プロジェクトで茨城県から支援を受けた内容>
茨城県で出会った人たちとのつながりから新しい仕事が生まれた
ワーケーションを目的に水戸市でトライアル移住を行うにあたって、コンサルタントの方から、居住物件やシェアオフィス、コワーキングスペースの紹介を受けました。茨城県は県のみならず、市町村単位でも地域活性化や街づくりに積極的なようで、移住をはじめとした新しい取り組みを歓迎する風土があるように感じました。地域全体が友好的かつ協力的で、ご紹介を受けて出会う人たちからも、実のある情報や提案を受けることができました。
また、シェアオフィスで出会った人同士で新しいビジネスについてディスカッションする機会もあり、私たちの会社にも対話をきっかけに新しい仕事が生まれそうで、望外の喜びです。今後、茨城県内での事業展開も検討していますので、このプロジェクトをきっかけに県の方と懇意になり、色々とご相談させていただける関係になれたのも良かったと思っています。地域の情報を集める上で、自治体の方がいらっしゃると入ってくる情報の質が違います。さまざまな面で、予想以上にメリットが大きいものだと感じました。
本プロジェクト担当の茨城県企画部企画課 戸澤雅彦課長補佐(右)と渡邉友規係長
業務面での変化
<移住によってどのような業務改善があったか、どのような課題があるのか>
事務職や営業職もリモートワークは可能。生産性も下がらない
当社ではリモートワークが当たり前なので、業務面での変化は特にありませんでした。むしろ、東京勤務の場合と何ら変わることなく業務ができた、という点を強調しておきたいと思います。クリエイターと呼ばれる仕事の人たちと比べ、事務職や営業職はリモートワークが難しいという考えが、世間一般にあるように思いますが、そのようなことはまったくありません。細かい点で言えば、働く場所を自分の意思で変えられることや、ライフ面がより充実することで生産性が多少上がったかもしれません。1カ月間は水戸駅から徒歩圏内のホテルで暮らしていたのですが、じっくり作業と向き合いたいときはホテルで、クリエイティブなことを考えたいときはコワーキングスペースや、景色がいい場所に足を運んでいました。
あえてリクエストがあるとすれば、車の貸し出しサポートがあれば、東京ほどには公共交通機関が発達していないので、より助かったと思います。ただ、それも仕事の生産性に影響するほどではなく、快適でストレスの少ない充実した1カ月でした。