【平成29年度 参加企業プロジェクトレポート】 ChatWork株式会社 プロジェクトレポート
- ChatWork株式会社
- 業種:通信
- 所在地:大阪府吹田市
ChatWorkは導入企業が15万3,000社を突破し(※1)、2年連続ビジネスチャットナンバーワン(※2)を獲得した「チャットワーク」とその関連サービスを展開している。チャットワークはグループチャット、タスク管理、ファイル共有、ビデオ通話・音声通話の機能を持ち、業務の効率化や働き方の変革に貢献する。「働き方を変えるサービスを提供している会社だからこそ、先進的な働き方を模索している会社であるべきだ」という考えから、自社社員によるリモートワークの実践や普及に関する研究を行っており、その一環で本プロジェクトに参加した。
※1:2017年10月末時点
※2:株式会社ネオマーケティング調べ/2017年1月全国20〜50代の男女/ビジネスチャットツール利用者・過去利用者/1,000名/Webアンケート
プロジェクトの参加目的
テレワークを成功させるためにどんな条件が必要かを検証
今回は当社のエンジニア2名と新規事業の立ち上げ担当者、そして広報の私の4名が結城市で1泊2日滞在しリモートワークを行いました。また、結城市のまちづくり機関であるTMO結城とヤフーが主催し、地域の大学生が参加するアイデアソン「地域×コワーキング~コワーキングスペースを活用した地域交流人口増加~」に協賛及びメンターの1人という形で関わりました。
プロジェクトに参加した目的は3つあります。1つ目は、テレワーク=チャットワークになるようなブランディング、マーケティングを行うこと。2つ目は「地方で働く」ことについて、我々はどのようにサービスを提供していけばよいかを知るための視察として。3つ目は、社内で研究を進めている「テレワークを成功させるにはどんな条件が必要か」を検証するためです。
茨城県の印象・生活
<トライアル移住前後での茨城の印象・生活>
酒蔵や味噌蔵、古民家が並び 歴史を感じさせる街、結城市
茨城県や結城市に縁もゆかりもない4人でしたが、今回初めて滞在してみたところ、事前に抱いていたイメージ以上に魅力のある街だというのが共通した感想でした。結城駅から北側のエリアは重要文化財に指定された建物がある歴史を感じる街並みで、落ち着いて仕事ができる環境だと感じました。古民家を改装したおしゃれなお店が複数あるのもいいですね。結城市で撮った写真をインスタグラムにアップしたら、一気に10人くらいフォロワーが増えました。
観光課の方の案内で味噌蔵の中に入って製造工程の説明を受けたり、日本酒の酒蔵にお邪魔して試飲させてもらったりして、結城市を体験できる機会があったのも非常に良かったです。こういった地元の方と触れ合う機会がなければこの街の持つ本当の魅力には気付けなかったかもしれません。地元の方はオープンにお話をして下さる方が多く、入り込んでいきやすそうな雰囲気がありました。
これまで私たちは都会から遠く大自然の豊かな北海道の知床や鹿児島県錦江町、京都府京丹後市でリモートワークを実施してきました。それらの地域と比べると結城市は東京都心からのアクセスがよく、市内は頑張れば徒歩で移動可能な便利さがあります。ただ、電車の本数は限られているので、その時間に合わせて自分の行動を調整する必要はあると感じました。
茨城県結城市の有名な酒蔵『武勇』。歴史ある店が多いのも結城市の魅力
具体的な支援内容
<当プロジェクトで茨城県から支援を受けた内容>
「地域×コワーキング」をテーマにアイデアソン開催で地元の学生と交流
コンサルタントの方から宿泊場所などの現地情報を提供いただいたほか、ワークスペースとしてTMO結城が運営している「Coworking & Café yuinowa」を利用させていただきました。築87年の呉服店をリノベーションしてつくられたyuinowaは非常に落ち着いた空間で、普段のオフィスとはちょっと変わった雰囲気でよい気分転換になりました。設備面も基本的に問題なく仕事ができる環境でした。ただ、コワーキングスペースはオープンな空間なので、重要な会議を行う場合などのために機密性の保たれた空間があるとよいと思いました。
加えて、「せっかく行くので何か現地の人たちと交流する機会を持ちたい」「チャットワークの普及活動をしたい」とリクエストしたところ、アイデアソンを企画・実施していただけました。アイデアソンにはSNSなどの呼びかけで筑波大学や白鴎大学、茨城大学、清泉女子大学の学生約20人が集まり、キックオフミーティングでグループ分けした後は2週間後の発表日まで直接会うことなく、チャットワークを使ってアイデアを出し合い、考えをまとめてもらいました。あえて住む場所の異なる学生でチームをつくり、遠隔でプロジェクトを進めてもらったのです。このようなイベントは、自分たちだけではなかなか開催できないものでした。
本プロジェクト担当の茨城県企画部企画課(移住推進担当)小森学 主任
業務面での変化
<移住によってどのような業務改善があったか、どのような課題があるのか>
良い意味で「普段と変化なし」条件が揃えばリモートワークに支障はない
我々がいろいろな地方でリモートワークをして見えてきた、テレワークを成功させるためのポイントは3つあります。1つ目は労務管理や評価制度の整備と周知徹底。2つ目は情報の中央化やセキュリティの担保といったITに関する環境面の整備。そして3つ目が各社員の自己管理と業務に集中できる場の用意です。
今回は結城市に滞在して特別な仕事をするのではなく、あえて参加者が全員、通常と同じ業務を行いました。その結果としては、業務面では良い意味で普段と変化がありませんでした。つまり、リモートワークを終日こちらですることになっても、上記の条件が整っていれば仕事を進めるうえで支障はないと検証できたわけです。
デメリットは特にありませんでしたが、あえて言えば長期滞在する場合、ホテル住まいだとどうしても食事をする場所が限られてしまうので、シェアハウスのような自炊できる環境があると、より現地の生活を楽しみながら仕事ができると思います。
また、アイデアソンには私も1つのグループのメンターとして参加しました。学生たちはあっという間にチャットワークを使いこなし始め、3日目にはビデオ通話会議をしていました。発表されたアイデアもインスタグラムを活用した料理コンテストなど実現性のありそうなものばかりで、短期間でよくこれだけまとめられたものだと感銘を受けました。やり取りを通じて感じたことや得た知識も、私たちの財産となりました。