【平成31年度 Camp in参加企業プロジェクトレポート】 株式会社パソナ プロジェクトレポート

合宿プログラム大枠

【1日目】

10:40 オリエンテーション 会場:M-work

11:30 ランチ 水戸市街地をフィールドワーク

14:00 ラグナロック訪問:ディスカッション

18:00 満州屋(宿泊先)到着

18:30 懇親会

 

【2日目】

7:20 ビーチクリーン

9:00 イバフォルニアプロジェクト:ディスカッション

10:40 まとめワーク

12:00 解散

 

今回、合宿をした企業は株式会社パソナ様。人材派遣サービスを行う企業だけに「人々の働き方の変化」には敏感で、複業(複数の仕事を持つ)ニーズの高まりをいち早く察知。具体的な方策として複業希望者と地域企業とのマッチングを行うフィールドワーク「#複活」を「合宿の地、茨城」で開催しました。

1日目

この日は、肌寒い朝だったが、複活スタッフが元気に水戸駅でお出迎え。

水戸駅は上野駅から約75分。参加者の多くが首都圏在住の方で「はじめて茨城に来ました」という方も少なくありませんでした。これまで関わったことがないことを理由にあえて茨城を選んできた方や、「茨城が今アツい!」と聞いて参加を決めた方もいらっしゃった。皆さん、期待とやや緊張した面持ちでした。

 

水戸駅北口から歩いて5分ほどにあるコワーキングスペース「M-work」で、複活の概要や水戸市内にあるシェアオフィスなどについてオリエンテーションを行い、その後、自己紹介をしていきました。参加者はライター、UIデザイナー、セラピスト、保育士、建築士、そして不動産会社にお勤めの方など、自分のスキルを活かしたいと熱意がある多才な方たちばかり。

「社会人としてできることを打ち破りたい」と、会社でもない、プライベートでもない、新たな道を模索している参加者の言葉がとても印象的でした。

ゲストハウス・ラグナロック訪問

 

広い芝生の庭と、その奥に広がる大塚池公園を見て、思わず感嘆の声があがっていました。

この家の家主さんが建築士だったそうで、建築に対するこだわりが詰まった物件。趣のある造りで、眺めも良く、他には類を見ないほど個性を持ったゲストハウスでした。

 

ラグナロックは2019年5月にオープンしたばかり。共同オーナーの加藤さんから、オープンまでの経緯と想いをお話しいただきました。現在、新築よりも空き家に関する相談が増えてきているそう。

加藤さんは建設業を本業とする一方で、DIY賃貸借(賃貸した物件を自身でカスタマイズできる物件)に取り組んでいて、ラグナロックは加藤さんたちが手掛けた第1号の物件。

しかし、加藤さんもゲストハウス運営の他に本業があるため、月1ペースでイベントを開催したり、コミュニティ育成に力を入れたいという想いがあってもなかなか手が回らないとのこと。そこで、複業人材と連携して解決できることはないか、という視点で今回複活の受け入れ団体として手を挙げていただきました。

 

参加者からは、「ゲームのイベントを開催してみてはどうか?」「地元ママさんの集える場にして、雇用創出も視野に入れてはどうか?」「東京からライターを集めて創造活動をしてもらってはどうか?」というような、自身の得意と掛け合わせた様々なアイデアが出てきました。

加藤さんも、複業としてビジネスマッチングの可能性もあるので、他人事ではなく「自分事として」提案して欲しいという想いだったようです、

 

最後に加藤さんから「本業が忙しいことを言い訳とせず、自分でももっと行動していきたい。参加者の熱量に刺激をいただいた」と、感謝の言葉がありました。

都心からも近く、ロケーションも申し分がないラグナロックで、今後どのようなコラボレーションが展開されていくのでしょうか?今後が楽しみです。

 

 

 

満州屋へ訪問

ラグナロックの後は、満州屋に移動。イバフォルニアプロジェクトを運営する地元旅館です。

この日の夜は、満州屋で懇親会を開催しました。茨城の冬の味覚である「あんこう」をはじめとした新鮮な海の幸と、地ビールで乾杯。ほんの6時間前に初めて会った参加者達なのに、この頃にはすっかり打ち解けていました。

また、満州屋はグランピング施設もあるため、懇親会の後は希望者で焚き火をすることに。寒い風が吹く中でしたが、一つの火を囲むことで、より一体感が増していたようです。

2日目

 

2日目の朝は、宿泊した満州屋の近くにある阿字ヶ浦海岸でビーチクリーンからスタート。

台風の影響などもあり、なかなかゴミが減らないという現状を目の当たりにしていました。ビーチクリーンという少し非日常的な体験を通じて、環境や温暖化などの地域・社会問題について考えたり、話すきっかけとなりました。

 

その後は、これまで夏以外は使用されていなかった海の家へ移動。

現在この海の家は、新しい活用実験として「イバフォルニアベース」と名付けられ、地域の交流の場になりつつあるようです。ここでは、満州屋のオーナーでもありながらイバフォルニアプロジェクトを運営する小池さんから、プロジェクトの概要をご説明いただきました。

 

かつては日本一の海水浴場だった阿字ヶ浦海水浴場。近年の海水浴離れで観光客も減ってきているというのがこの地域の課題。

「一年を通じて人が集う場にしていきたい」という想いから、2019年の春にはじめて開催したイバフォルニアマーケットの様子を動画でみせていただきながら、良かった点と課題点を整理し、複業をしたい参加者と一緒に何ができるかを考えていきました。

 

参加者からは「どういった人が阿字ヶ浦に訪れているのか」や、「どんなスキルが活用できるのか」など具体的な質問がされていきました。

受入れ団体となるイバフォルニアプロジェクトにとっても、複業人材はスキルのほかにも、時間の捉え方や、報酬、交通手段などについて個人差があるという気づきがあったようです。また、複活の事務局も、どんな形式であれば両者がマッチングできるか、参考材料が増えていき深い学びとなったようです。

2日間通しての学びと、今後の関わり方については、参加者が各自でワークシートにまとめて後日提出することになりました。

 

複業を推進するうえでは、オンラインでの人材紹介に加えて、オフラインで「想い」を伝えたり「共感」を創るなど、複業希望者と受入れ団体の事前のコミュニケーションが不可欠。

今回のフィールドワークを通して複業推進のために必要な要素や、地域と繋がった働き方や暮らし方に向けた方策などを語り合い、双方で共有することができました。今後は、きっかけを持った後に、実際に活動を開始・継続するまでのハードルについて、実証しながらクリアにしていくことが必要になりそうです。