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茨城のヒト・コト・バ PEOPLE, THINGS, SPOTS OF IBARAKI
働き方を通年話せる場
stand
肩ひじを張らない交流で、これからの働き方を話せる時間を
「stand」というイベントをご存じだろうか?
茨城県が主催し、茨城移住計画が運営している交流イベントだ。茨城県から「気になる人」をゲストとして招き、その人の仕事や茨城での活動についてお話を伺うことができる。2018年5月からスタートし、月2回のペースで開催している。
しかし、イベントで主役となるのは、あくまで参加者。ゲスト登壇者が中心となって話す時間は30分程度と短く、逆に交流の時間を長く設けている。standに立ち寄った参加者が、ゲスト、茨城県、茨城移住計画メンバーとともに、「働き方」について気軽に話せるのが特徴だ。
開催場所は、神田にあるシェア型複合施設「theC」を中心に東京都内。毎月、第二第四木曜日に開催されているので、興味のあるテーマのときに、ふらっと立ち寄ることができる。

standを主催する茨城県庁の小森さん(右)と、茨城移住計画の鈴木さん(左)
standについて、そしてこのようなスタイルにした背景を、茨城県政策企画部 計画推進課(移住推進担当)主任の小森学(こもり・まなぶ)さん、茨城移住計画の鈴木高祥(すずき・たかあき)さんにお話を伺ってみた。
これからの働き方を、ゆるやかに語り合う
「働き方・暮らし方について、ちょっとゆるやかに話してみたいという方ならどなたでもウェルカムな交流イベントです。働き方を通年話せる場として、地域への関わり方や、これからどう働くということを同世代と一緒にフランクに話せる場です。ここでしか聞けない地域への関わり方(働き方・遊び方)も随時、茨城移住計画からお伝えいたします。」
そんなコンセプトを掲げている、stand。

茨城県庁の小森さんは、移住に関する仕事に5年ほど関わっている。「茨城にこんな人いるんだ、こんな場所があるんだ、ということを知って、繋がれる時間にしてもらいたいですね。」
小森さん「standは『働き方を話せる場』ですが、あくまでフランクに世話ばなしする感じで、コミュニケーションをとれる場所です。茨城県としての要素を全面に出すというより、茨城で事業やイベントなど、実践している人に登壇していただき、働き方を軸に話し合う。取り組みや事例は話してもらうけど、交流の時間を大きくとっていく、ということを大切にしています」
standの会場内は、講義形式のように全員が登壇者の方向を向く配置ではなく、参加者同士が顔を合わせやすいレイアウトになっている。机の上に置かれているのも、登壇者に関する細かい資料ではなく、茨城県産のおつまみや地酒。
鈴木さん「仕事帰りにラフな感じで参加して、茨城の県産品を楽しみながらも、会社外で仕事の話をできる時間を作ろう、と思っています。たとえば、これからの働き方や暮らし方、プライベートなどについて話したいけど、会社で熱い話すると茶化されるから嫌だな、という方も多いと思うんですよね。だから、そういったことを話す時間をつくっていきたいですし、同時に『自分はなぜこういったベントに参加したのか?』ということをひも解くような時間にもしていきたいです」

さまざまなゲストを呼んできた、茨城移住計画の鈴木さん。「茨城の農業生産量は全国2位。オール茨城の食材で、きちんとした食のイベントもやってみたいですね」
気軽に参加してもらえるように「standの主催は茨城県だが、県がメインで表に立っているような感じには、あえてしていない」とのこと。
小森さん「『行政が主催するイベントです』という雰囲気にすると、やっぱり『移住者が話をして、参加者たちがそれを聴いて帰る』みたいなイメージがでてしまうかもしれない。茨城移住計画さんのロゴやデザイン、イベントづくりを通して、気軽に参加してお互いに話をしやすい雰囲気にしたいと思っていました」
まずは参加してみよう、ぐらいの気持ちで来てくれる方も多い
そんなstandに集まる参加者は、各回で「初めて来る」という人が多いそうだ。SNSでたまたまイベントのことを知ったり、ゲスト登壇者の知り合いだったり、東京に住んでいる友達に誘われた、という参加者もいる。

清澄白河のリトルトーキョーでもstandを開催。「ローカルをファシらナイト」と題して、2拠点ワーク・IT・地域との繋がり・ファシリテーションなどを軸に話題を進めていった
鈴木さん「参加者は、茨城出身だけど東京で働いている方も多いですし、茨城出身ではない人も半分ぐらいいます。ぼくらが想定しない人たちが集まっていますね」
中には、「地域活性に興味があるけど、コミュニティ形成やイベントづくりについてよく知らないから、まずは参加してみた」という参加者もいるそうだ。
鈴木さん「そういう方もウェルカムです。違う地域の人が茨城県に来てくれる可能性も広がりますからね。まずは茨城の関わり方を知ってもらって、茨城を『自分が関わった土地』として認知してくれるようになれば、茨城の人と出会ったときに話も弾む。そうなっていけば、参加者にとっても有意義な時間になるのではないでしょうか」
地方のプレーヤーたちとも、気軽に交流
毎回の登壇者たちのことは、茨城移住計画スタッフが、茨城県内で活躍する方々の中から選んでいる。
standの企画は、移住や自治体PRではなく、ヒトやコトをテーマに扱っている。登壇者は、実績を残している人や、地域活動に取り組んでいる人などが中心だ。
たとえば、Uターンで起業しカフェをオープンさせた若手オーナー、コワーキングスペースを運営する起業家、古民家や酒蔵のある街で音楽フェスを企画運営する商工会議所職員など。県内で開催されるイベントの広報スタッフが、イベントPRもかねてやってくることもある。

stand第5回目「お野菜✕コミュニケーション大作戦」では、晴れ晴れファーム農園長・西村さんがゲスト登壇
小森さん「こんなに地域のプレーヤーや、地域とつなげてくれる人が連続で来ているイベントは、他には少ないと思います。いきなり移住について考える、ではなく、『まずは地域と何かやってみたいんだよね』という方でも、standには参加しやすいかもしれませんね」
もちろん、「地方での働き方や暮らしを真剣に考えていないと会場で浮いてしまう」ということは無い。
鈴木さん「働き方や暮らし方の相談に乗りますよ、ということよりも、『最近、どんなことに興味あるんですか?』といった、相談というより関心ごとや共通項を探りながら参加者たちの話を聴いていますね。茨城には直結しなくても、その人が面白くなるようにヒトやコトを繋いでいきたいです」
これまでstandでは「個人」を中心としてゲスト登壇者を招いてきたが、企業を交えたイベントも構想中だ。
鈴木さん「『働き方』といっても、個人のあり方として考える場合と、組織の中の会社員として考える場合とがあると思います。たとえば、東京にいる新規事業担当者などが、会社員としての視点で茨城県に興味を持つ場合もある。そういう時に茨城県の事例を聴きに行ける場所としてのニーズもあると思うんですよね」
企業としての働き方を考える機会も増えることで、standに参加するきっかけや話せる内容の幅も広がる。また、会社員の視点で茨城について知っていったことをきっかけにして、個人としても関りを作り始めることも期待できそうだ。
「茨城はなんだか関わりやすそう」と感じてもらいたい
肩肘張らずに、他者と興味関心ごとから「働き方」について話し合える時間、stand。イベントづくりの中心にいる小森さん、鈴木さんは、今後の運営についてはどのように考えているのだろうか。

小森さん「これからも、『働き方』をキーワードにした場にしていきたいですね。自分も、地方での働き方を提案したり、変化の機会を作る側にいるので、それをお手伝いできればという思いもあります。仕事を軸にする、家庭を軸にするなど、自分の考える生き方ができる場所が地方であれば、茨城も移住の選択肢の中に入ってくると思います。standも、そこを繋ぐきっかけの場所にしていきたいです」
鈴木さん「standに来てくれる方の中で多いニーズは、相談したい、移住したい、ではなく、『地方で今どんな事が起きているのかを知りたい』ということなんですね。 たくさんイベントがある中で、『茨城はなんだか関わりやすそうだ』『選択肢がありそうだ』とstandを通じて感じてくれたらいいなと思っています。 茨城への関わり方は、参加者自身が見出していただけたらな、と思いますね。」
standは、毎月二回開催されているので、参加のチャンスはたくさんある。地方とのかかわりを考えた上での、働き方、暮らし方、移住。あまり真剣に考え込んでしまう必要はないはず。まずは会場を覗いてみて、隣になった人が参加された理由から聞くところから、コミュニケーションを始めるのはいかがだろうか。