映画『河合の箒』と「種継人の会」
私が河合の箒(かわいのほうき)を知ったのは『河合の箒』という一本の映画からでした。
河合の箒とは、常陸太田市下河合町で昔から手仕事で作られている箒のこと。農閑期を利用した副業として生まれ、発達してきました。久慈川と里川との合流地点にある下河合町では、台風による洪水の被害に悩まされてきたといいます。箒の材料となるホウキモロコシは丈が二メートルくらいにもなり水害の被害も少なく、河川より運ばれる肥沃な土壌でよく育ちました。常陸太田市の歴史を調べてみると江戸時代の末期から箒は作られています。しかし、昔は盛んだった箒作りも今では横山有寿(よこやま ゆうじ)さん・宮子さんご夫妻の一軒残すのみになってしまいました。この伝統を絶やすまいと在来作物の保存活動に取り組む「種継人の会」の活動の甲斐あって、最近では箒作りを学ぶ人たちの取り組みや箒の良さを再認識する人たちが増えてきているようです。